甲府市は昨年12月、 甲州夢小路を整備する宝飾製造販売のタンザワ(甲府市)へ用地を売却した。同社では当初、平成21~22年に予定していたが、2年ほど遅れ、24年1月に着工し、同年11月の完成を目指すこととした。遅れる要因は、甲府市側との協議の結果、「甲府駅北口周辺施設の整備(甲府地方合同庁舎、公務員宿舎、NHK甲府放送局ほか)や都市計画道路が整い、周辺が賑わってからの方が良い」と判断したからだ。
同社が提案した資料によると、JR車両区事務所(S造3階建て延べ1035・01㎡)を解体し、甲州夢小路整備に取り掛かる。蔵造りをイメージした外観を持つ甲州夢小路は、美術館(約705・38㎡)、ほうとう屋(約326・7㎡)、ミュージアム(297㎡)、地場産業店舗(A-G)で、総延べ床面積約2203・58㎡の施設のほか、駐車場31台を備える。また、石畳の小道で各施設を結び、それぞれの建物に山梨の特産物店舗を配置する。
一方、JR車両区事務所の解体後は市で造成工事を行い、建設するまでの間、駐車場として活用する予定。
甲州夢小路事業は、甲府駅北口開発を契機に都市開発だけではなく、明治大正昭和の街並みを復元し、地元・県外・海外からの観光客誘致を図るもの。平成18年に甲府市が、JRから車両区事務所周辺 3224㎡を購入。その後地場産業を紹介する施設提案を公募(平成19年3月)し、株式会社タンザワの提案を採用した。同社で設計から建設、施設運営までを行う。
【写真=甲州夢小路整備予定地】