一般国道7号(日本海沿岸東北自動車道)「朝日温海道路」の新規事業化決定を受け、北陸地方整備局は16日に会見し、本年度は測量等に着手する方針を明らかにした。同局が所管する道路整備では最大の延長(L34・1㎞)となるため開通時期は未定としているが、一日も早い開通を目指す考えだ。
本年度の直轄による新規事業化が決まった朝日温海道路は、日本海沿岸東北自動車道の一部を構成する道路で、村上市川端(朝日まほろばIC)~山形県鶴岡市大岩川(あつみ温泉IC)に至る延長L40・8㎞の自動車専用道路。延長の内訳は新潟県側がL34・1㎞、山形県側がL6・7㎞。構造規格等は第1種第3級、2車線、設計速度80㎞/h。計画交通量は1日あたり1万1400台。
全体事業費は約1900億円で、内訳は工事費1311億3000万円、用地および補償費93億6800万円、間接経費495億300万円。
全体計画では、新設ICは6カ所(大須戸、大須戸第二、北中、勝木、府屋、鼠ヶ関。いずれも仮称)、改良1カ所(朝日まほろばIC)で、新潟方面へのハーフICとなる大須戸第二以外はコンパクトなダイヤモンド型を基本とする。トンネルは18本(延長L17・5㎞)、橋梁は30本(延長L2・6㎞)を想定。道路幅員は一般部がW13・5mで、トンネル部と橋梁部はいずれもW12・0mで計画。コンクリート形式の中央分離帯も設置する。
本年度の事業費配分額は1億円で、うち新潟県側が8000万円、山形県側が2000万円。まずは測量業務に着手する考えで、発注時期等の詳細は今後詰めていく。
今回の新規事業化について橋場克司局長は「東北・北陸の連携が強まるとともに、新潟から青森までつながることで非常に大きな効果が期待される」とした。新規道路事業は通常、着手から10年程度が開通のメドになるが、橋場局長は「延長が長く、これから測量に入る。埋蔵文化財調査もあり、現段階では開通時期は示せない」としながら、関係者と連携して「一日も早い開通に向けて全力で取り組みたい」との姿勢を見せた。
長年の悲願実現
国に対して早期事業化を働きかけてきた新潟県の泉田裕彦知事は「長年の悲願が実現し、大変うれしく思っている」とし、関係者の尽力に対して敬意を表した。また、今後は「早期に着工するとともに、住民の安全・安心に不可欠な『命の道』として、一日も早く開通することを強く期待する」とコメントした。
【写真=北陸地方整備局が会見】